外観検査工程とは
主に製造業において製品の外観をチェックする工程。製品の品質を維持・保証するために非常に重要な工程である。
長らく日本の品質の高さを維持できていたのは外観検査工程を重視していたことも大きな要因と言われている。
長らく検査工程はヒトによる検査が主流であった。そして厳しい検査基準の設定の中、検査業務は熟練スキルを必要とした。
一方で、昨今の少子高齢化に伴い労働人口が減少するなか検査工程の人員確保や熟練技術の承継は今後のモノづくり業界において大きな課題であった。
そのような状況下で外観検査工程の自動化への期待値は高く、昨今多くの工場で自動化への取り組みや検討が行われている。
外観検査の種類と方法
外観検査とひとことで言っても、取り扱う製品により用途も異なることから検査目的も様々である。
- 形状検査 ・・寸法や形状、あるいは回路の半田が適切かどうかを判断する。また昨今では製品への刻印の文字を読み取るOCR処理もこのカテゴリーに含まれる
- 異物検査 ・・例えば、食品工場において髪の毛や金属破片などの異物混入の有無を判断する
- 傷・汚れ検査・文字どおり、傷・汚れを検査するもの。特に自動車関連部品や電子デバイス向け部品ではかなり肉眼でも相当な注意を要するレベル100μmのような微細なものも対象となる場合もある
- 色検査 ・・・塗装の色味が基準内かどうかを判断する検査
外観検査自動化の基本構成は、①画作り②画像ソフト処理③装置による処理(不良品を別ルートに流す、次の検査対象ワークを搬送する等)
先に述べた検査の種類によりこれらの要素が変化する。
従来は、外観検査は良品、不良品の基準を数値で閾値として設定して検査マシンに判断させる手法(ルールベース)が主流であった。
しかし、コンピューターの演算処理性能の向上によりAIのディープラーニング技術を用いることにより、従来ルールベースでは処理がむつかしかった異物混入や熟練検査員の違和感といった数値化しにくい内容にも対応できる領域が広がっていることからAI×外観検査市場は急拡大している。
今後の外観検査の課題